ドラマに突然自分が出てきたら笑えない
駅に向かって歩いている途中、広い場所で大勢の人達が立っている風景に出くわしました。男女30人位はいたでしょうか、各自バラバラにかなり離れて立っています。”何か普通と違う”と感じ、私は歩きながらもその人達をずっと見ていました。違和感を感じたのは、全員その場に立ったまま私の向かっている方を向いて少しも動かないためでした。
【目次】
謎の集団
誰一人全く動かないので「え?もしかすると"だるまさんが転んだ"をやってる?」「今、大人の間でそんな遊びが流行ってるの?」などと訝しみつつ、”鬼”がどこにいるのか目で探しますがわかりません。
「それにしてもぜんぜん動かないな、誰も会話していないし笑顔の人もいない…」変だな変だなと思いながらも歩き続けていると、突如前方から大声が聞こえ、それと共にその集団が一斉に歩き始めました。
「えっ?」突然のことに驚きましたが、私も同じ方向に歩いているわけですから、その人たちと一緒に歩いてるような感じになりました 。
物陰を通り過ぎて見えてきたのは、撮影カメラと機材と大勢の撮影スタッフ。
一瞬で悟りました。「これはドラマか何かの撮影だ。この大勢の人たちは通行人のエキストラだったんだ!」皆笑いもせずその場にじっと立っていたのは、監督のStartサインを緊張しながら待っていたからか…。全て合点がいきました。
映っちゃってる?
でも一体どういうこと!?カメラは回ってます。私もこのエキストラの人達と一緒に歩いているから、「私、通行人の一人になっちゃってるじゃん!」
立ち止まるのも引き返すのも何か許されないような気がしてそのまま歩き続けつつ、「どうすんのよ!何かのドラマ見てたら突然私が出てきたらどうすんのよ!」
駅前スーパーで買い物するだけだったので、マスクはしているもののほぼノーメイク、ラフでダサイ服・・・「いやだー(泣)」
カメラ脇のモニター横を通った時、きれいな若い女性の横顔アップが見えました。女優さんでしょうか。しかし「顔ちっちゃ!」
彼女の後方には通行人(エキストラ)が歩いてるのがバッチリ映ってます。
「カーーット!」という大声と共に全員の動きが停まり、その場の空気が少し和らいだ感がありました。。。って、「カーット」じゃねーよぉー!
私 ぜんぜん関係ないし!交通整理担当スタッフはなぜ私を止めなかった!?
私はこういう撮影の場に結構多く遭遇しているのですが、普通こういう時は撮影スタッフが「すみませーん、ここ通れません!」「立ち止まらないでくださーい」とか言って、私のような一般ピープーを撮影の邪魔にならないように"どかす"ものです。
普通は「何の撮影?誰か有名人いる?」と野次馬な気持ちになるのですが、急いでいる時は「私はここの人間で用があって歩いているのに通らせないってどうなのよ?」などとイラつくこともあります。
でも、もしどかされなかったらこういうことになるんだって、今わかりました(苦笑)。
なぜかすり抜けることが多い
ずいぶん昔の話ですが、都内大通りの広い歩道で向こうから歩いてくる男性3人。何となく見覚えがあり知り合いだと思ってすれ違いざまに会釈すると、向こうも会釈を返してくれました。通り過ぎてハッと気づくと大通りなのに周りに誰もいない。
見回すと遠巻きで撮影していたのでした。大勢の通行人が制止させられ皆がこちらを見ています。でもなぜか私だけすり抜けて歩いてしまったようです(恥)。彼らは誰?と後で思い返すと(その場ではわからなかった)当時人気のシブがき隊でした。
またある時、会社の別の部署に用があってその部屋のドアを開け勢いよく入っていくとこれまたドラマの撮影中。私のせいで撮影を中断させてしまいました。この時もドア前には制止するスタッフがいなかった。
でも平日の昼間、まさか自分の会社内で撮影してるなんて普通思わないでしょ?その時、窓際の室長席に座っていたのは某有名二枚目俳優。撮影を停めてしまった私を見てにっこり。いい人!
それにしても、私はよほどいつも周りを見ずにボーッと歩いているのでしょうね。。