「相続」ということばに敏感な今、映画「マルサの女」をふと思い出す
伊丹十三監督の映画「マルサの女」をご存じですか?
国税局査察部が、脱税してる隠し財産を徹底的に調査・摘発していく作品で、主人公はおかっぱ頭にそばかすの敏腕女性査察官(宮本信子)です。1987年の映画ですが私はのちのTV放映で観て印象深かった記憶があります。
その頃はまだ税金とか全くピンとこない世間知らずで単に面白がっていただけでしたが、父が亡くなり様々な手続をしている今、ふと映画のあるシーンを思い出したのです。
【目次】
死亡後の手続きは人により違う
親が亡くなると様々な手続が必要になります。
親の生まれた時から全生涯の戸籍を追わなければならないところから始まり、また、親・子・孫・きょうだいの人数や財産の種類など人によって皆違うので、他の経験者に聞いた手続きのケースがそのまま自分に当てはまるわけではありません。
介護の必要な母に手続きは無理なので、私が何もわからないところからネットや本で調べながら全て行なっています。
そのため今まで無頓着だった相続・法律・税金などの知識を得ることとなり、またネットもそういう情報をサーチすると次から次へと関連情報を表示してくるので、少しずつですがわかってきます。
それで二次相続とか自分たちの万が一の際とか「何かもっと大変そうだから今のうちに準備しておかないと…」と、まぁ色々と考えさせられるものです。単に悲しみに暮れさせてはくれないのですよ。様々な期限のある手続きやら何やらで動かなければならないのです。
それで「死亡後の手続き」とか「相続」とかいうキーワードに敏感になっている今、「マルサの女」のあるシーンを突然思い出したのです。
ふと思い出した脱税者のことば
山崎努扮するラブホテルの経営者「権藤」は巨額の脱税をしていて、マルサつまり国税局査察部に目をつけられ攻防を繰り返す中で、主人公の査察官にこう言ったのです。
「妻に財産を分けたかったらどうすると思う?・・離婚するんだよ。俺はそこまでやる男だよ。」
正確には覚えていませんでしたがこのようなことを言ったはずです。見ていた当時の私は何も思わずスルーしましたが、今になってこのことばが蘇えってきました。
「離婚?・・・なんで? そしたら財産相続できないじゃない」
何十年も前の記憶に突如興味が湧いてしまって、ついネットで調べてしまいました。
権藤氏は「離婚して奥さんにたんまり慰謝料を払い、その後また結婚する」と言っていたのです。
調べた結果、慰謝料には所得税が課されないし贈与にはあたらないので贈与税もかからないからだということがわかりました。それで再婚すれば残りの財産も相続させられる。
税金はそう甘くない
へぇそうなんだ。。。
いえ、別に何かの参考にしようってわけではないですけれどね、慰謝料かぁ。。。へぇそうなんだ。。。
でも某法律事務所のサイトによれば、その額は社会的に相当な範囲である必要があり、せいぜい100万~300万円程度、それを超えたらやはり税金がかかってしまうし、偽装離婚の疑いがあったらもちろんダメ!だそうですよ。
やっぱり税金はそう甘くないですね。
巨万の富を持つ権藤さんが言ってるのは億単位の話でしょうし、おもいっきり偽装を疑われるだろうから、"たんまり"慰謝料払って無税というのは、きっと無理な話でしょうね。
「マルサの女」を今の知識でもう一度しっかり見てみたくなっっちゃいました。地上げや宗教がテーマだった「マルサの女2」もね。