R55女性あるある

R55世代(50~60代)女性の、心身や環境の変化・長年の仕事での経験・主婦目線での生活など綴るブログ

「ミステリと言う勿れ」と「水曜日が消えた」

前回の「ミステリと言う勿れ」は解離性同一性障害がテーマだった。切ない話だったけれど、ネタバレになるのでドラマの内容は書かない。

この病気は以前「多重人格」と呼ばれていた。

一人の人間の中に別人格が現れてしまう精神疾患で、幼少期などに虐待や事故など心に抱えきれない負荷や傷を受けた時、その苦痛を回避するために自ら他人格を生み出してしまう悲しい病気。

日本でこの病が一般に知られるようになったのは「24人のビリー・ミリガン」という本だった。実際に起きた連続強盗強姦事件を題材に、ダニエル・キイスが本にしたもの。

逮捕された犯人の名がビリー・ミリガン。彼は犯行の記憶が全くなかったけれど、それは彼の中の別人格のしわざだったことがわかっていく。(全て実話)

驚くのは、彼の中に23人もの別人格がいたこと。この23人は年齢も性格も性別も国籍までバラバラ。被害者女性に近づいた人格と、乱暴した人格と、銀行に連れていき金を奪った人格と、その金を使い込んだ人格は全部違うというややこしさ。

当時の日本には衝撃が走り多重人格ブームが巻き起こった。私も本を読んで「そんなことがあるのか!?」と驚愕した記憶がある。
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その後、多重人格を題材とした様々な映画やアニメが制作されるようになったけれど、近年ではこの病を題材にした「水曜日が消えた」という映画がある。

俳優の中村倫也さん演じる、自分の中で曜日ごとに人格が入れ替わってしまう解離性同一性障害の青年「僕」の物語。

主人公は「火曜」の真面目で几帳面な「僕」を中心に物語が進むのだけれど、7人の人格は、趣味も才能も性格も服装も皆全く違う。他の人格のことは全く覚えていないので、お互いの名を曜日で呼び部屋中にメモを残して伝えている。

月曜」は自由奔放でタバコの吸い殻やビールの空き缶など部屋を汚し放題。とっかえひっかえ女を連れ込むような性格なので、タバコが苦手で生真面目な「火曜」は目覚めた瞬間、隣に知らない女が寝ていて驚愕し、汚れた部屋の掃除から始める…みたいな日常から徐々に物語が動いていくのだけれど。

中村倫也さんが7人の人格を演じ分けていて、そんなに悲惨さはないけれど考えさせられる映画。今、Amasonのプライム会員特典で観られますよ。

しかし、自分の中に他の自分がいて、その自分がやったことは一切知らない。というのは一体どんな感覚なんだろう。

知らないはずの外国語を別人格は話せたり、体が弱くて歩けないのに別人格は走れたり、自分は温厚なのに別人格は狂暴だったり・・・

実は人ってあらゆる可能性を持っているけど、自分で自分を決めてしまっているのか?であれば脳のコントロール次第でどんな自分にもなれるのか?とか、様々なことを考えさせられる。