動画は倍速、曲イントロも5秒が限度の皆に、YES「危機」を聴いてみてほしい
最近のTV番組は、提供スポンサー紹介の間やCMに入る前などに都度、その先の様々なシーンを流しますよね。
私はそういう先出しで内容を見せる手法が嫌で、その間は"見ざる聞かざる"するようにしています。だって、このあと何が起こるかが漠然とわかってしまうし、既視感が生じるため後でそのシーンが出てきた時にはすでに新鮮さが薄まってつまらないのです。
「なぜ多くの番組でそんなことするんだろう?」と不思議に思っていたのですが、最近その理由が何となくわかる気がしてきました。
以前私もニュースを録画して倍速で見る話を書きましたが、今の若者達、特にZ世代はドラマでも何でも倍速視聴もしくは跳ばし見している人が多いそうですね。
テレビ、Netflixなど動画配信、YouTubeやインスタ、TikTok他、様々な膨大な量の動画を毎日見ている。一昨日書いたアマプラの話ではないですが、それだけ多くを限られた時間で消化するためには、どこかを削らないと無理なわけです。
録画して途中のCMを飛ばす私と同じように、Z世代はドラマ本編でも途中のおもしろくないシーンは容赦なく跳ばしてしまう人が多いとか。
起承転結なんてものにつきあっている時間はないといったところでしょうか?もしそうなら、番組がこぞってシーン先出しすることにも合点がいくのです。
内容もわからないものにじっくりつきあってる時間はない若者に、先に「こんなことやるなら面白そうだな」と思わせないと見てもらえなくなる。そういった現代ニーズにマッチさせた、若い世代のテレビ離れを防ぐための策なのかな…などと思いました。
番組だけではありません。音楽もそうです。最近イントロは短くないとなかなか受け入れられないという話も聞きました。
以前はヒット曲のイントロ部分は平均約20秒あったものが、現在は約5秒になっているといいます。
「イントロなんていいから早く歌を聴きたいって?イントロも歌の一部なのに」なんてのはZ世代にとっては年寄りの言い草なんでしょうね。
私は若い頃、プログレッシヴ(プログレ)ロックを格好良く思ってよく聴いていました。
↓これは当時のYESというバンドの超有名なアルバム「危機(Close To The Edge)」ですが、最初の歌詞は何とスタート後4分過ぎてからなんですよ。
今Z世代の皆さんが聞いたらどう感じるのか、是非感想を聞いてみたい。
ロックですが、最初のうちは鳥のさえずりやせせらぎ、そして聴かせるギター、もはやイントロでも何でもなく壮大な曲の一部です。
プログレにはこのような組曲や交響曲のような構成全体で聞かせるものが多かったのですが、イントロ5秒以上待てない皆さんは耐えられるでしょうか?
私は、10分経過したあたりからのゆっくりした流れのちパイプオルガンの重厚な響きに、宇宙のような壮大なイメージを思い浮かべながら聴いていました。超久しぶりに聴いた今も宇宙でした。聴いてみてね。