人生の午後3時

人生後半もまだまだ惑いっぱなし

大阪万博の「空飛ぶ車」にがっかりした理由

大阪万博、始まりましたね。テレビで見る限り初動の問題山積ながら、やはりああいう画面を見るとちょっと行ってみたくなります。 

色々見てみたいものもありますが、逆にがっかりポイントは何といっても「空飛ぶ車」です。どうしてもヘリコプター巨大ドローンに見えちゃう。それにお客さんも乗せないし空を移動しないし。 

数年前から大阪万博の一番の目玉は「空飛ぶ車」だとマスコミは言い続けていました。一般客を乗せて飛んで会場移動するって。それこそ「ああ!いよいよ未来が来るんだな」と思っていました。 
   
今回の車はきっとすごい技術の結晶なのでしょう。それ自体は否定しないし、今回飛べなくなったのは許可が間に合わなかったからで、万博ではなく現実としての計画は頓挫したわけではないと思います。でも・・・ 

私たち世代にとって未来の車というとほぼイメージができあがっているのです。誰もが子供の頃から本の挿絵やアニメや映画などで見続けてきたあの光景です。 

空を所狭しと多くの「空飛ぶ車」がぶつかることもなくすごいスピードで行きかっている。それは流線形の"いわゆる自動車"でタイヤはあるけど翼はありません。ルーフにもたくさんのプロペラとかついてません。 

車の定義は「車輪を回して移動する仕掛けの乗り物」だけど、万博の「空飛ぶ車」には車輪ついてないし。 

きわめつけはバック・トゥ・ザ・フューチャーですね。デロリアンが垂直に飛び上がり瞬時に時速100Km以上のスピードを出してタイムマシーンとなって未来に消えていった。

まぁ時空は超えないにせよ、ああいうイメージがついてしまっているから「空飛ぶ車」と言われた瞬間、長年植え付けられたイメージが先にたってしまって、ちょっとがっかりしちゃうのです。 

だから逆に今の子供たちの方がすんなり受け入れるかもしれないですね。 

この車、政府による正式名称は「電動垂直離着陸型無操縦者航空機」と言うそうで、なんだ航空機じゃん!だったら「ひこうきタクシー」とかの愛称の方が正しかったかも…ただインパクトにかけるか。未来感出すためにも「空飛ぶ車」と言いたかったのでしょう。

バック・トゥ・ザ・フューチャー partⅡのデロリアン生ごみを燃料にして動いていました。でもこれは今すでに実現しつつあります。大阪万博NTTパビリオンでも食品ロスの削減を実現する生ごみを利用した再生可能エネルギーの創出を行なっているそうです 。

未来とは、そんな派手でセンセーショナルなものではなくて、国の課題解決を担う堅実で確実なことの積み重ねに他ならないのですね。