R55女性あるある

R55世代(50~60代)女性の、心身や環境の変化・長年の仕事での経験・主婦目線での生活など綴るブログ

ビル解体をエンタメ化。通行人が避けて通る場所から、観に行く場所に

日本の建築・建設技術というのは本当にすごいなぁ、と素人ながらに感嘆することが多いです。震度5レベルの地震で倒壊する新耐震後のビルの話をほぼ聞きません。免震・耐震技術のみならず、暮らしを快適にする技術…日々進化しています。

でも私たちはそれをあまり意識も感謝もしていないのではないのでしょうか。それは知らないからです。

【目次】

実は解体技術もすごい

建設と言うと建てていく方ばかりについ目がいきがちですが、実はビルなど建築物の解体技術、これがまた世界的に大変優れていると聞きました。

"世界のびっくり映像"みたいな番組で高層ビルを爆破し一気に倒壊させる派手な解体シーンを見たことがあります。爆弾が落ちたかごとく、ものすごい砂埃が舞い上がりどれだけ大音響なのか想像がつくようです。

日本の街中でそんな解体の仕方は危険すぎてまずあり得ないし許されないでしょう。お国柄の違いを感じます。

でも日本の技術はすごい。解体と一言で言ってもいろいろな工法があるそうで、

建設中の建物がどんどん高くなっていく映像を逆回転させたみたいな、高層ビルが徐々に背が低くなっていき気づかぬうちに解体されている工法とか、

ガスや石油タンクのような球形建築物を、天井から渦巻状に切断して長細い切断部分が垂れさがっていく、まるでリンゴの皮むきをしていくような工法など、

建設各社は、より安全と効率を目指して様々な技術を生み出ししのぎを削っています。ゼネコンの手がけるような大規模工事だけでなく街中のビルやマンションなども様々な技が駆使されています。

でも私たちが通常工事現場に抱くイメージは、楽しいとか親近感といったものとはほど遠く「なんか危険ぽい」「工事早く終わってくれないかなー」程度の感覚しか持っていない人の方が多いのではないでしょうか。

でもそれって、なんだかもったいない気がします

こんなに高度な世界に誇れる技術が今目の前で行われているのに、職人さんたちがこれほど格好良い仕事をしているのに、そんな感想しか抱かせないのではもったいない。

    

もっとアピールしてほしい

そういったことを建設土木業界はもっと世間にアピールしてもいいのでは

ただ、いくら高度といってもただ単に技術的な説明を延々とされても(特に多くの女性は)あまり興味を覚えないことでしょう。だから、

たとえば解体作業現場を囲っている外の防御壁にARマーカーをいくつかつけてそれをスマホなどをかざせば、解体中のビルの現役の姿や解体後の新たな建設予定のビルがARで誰でも見られるとか(もちろん安全を確保した上で)、

また解体中のビルが建てられた時代背景、このビルで過ごしてきた人たち(テナント)、ビルから見えていた風景とその街の変化などが、音楽つきの動画で見られたら(こちらはQRコードでいける)、タイムトラベルしたような気分になって、これから建つビルももっと身近に感じられるかもしれません。

他にも、キーとなる作業日の現場で解体技術をわかりやすくリアルタイムWeb中継(解体ショー!)するとか、工場夜景のように建設現場夜景としてライトアップするとか、

連日いろいろなプログラムが行われていたら、街中の工事現場がちょっと面白いスポットになるかもしれません。

一種のエンターテーメントとして、通行人が避けて通る場所から、観に行く場所に変貌させるのです。

だって人手不足で悩んでいるし

こんな素人考え、危険と隣り合わせで戦っているのにそんなチャラチャラにつきあってる時間はない、現場はそんな甘いもんじゃない!と言う反論も聞こえてきそうですが、でも今この業界は人手不足ですよね。

ビルだけでなく道路や橋梁など50~60年前のインフラも老朽化が進んでおり、対策していかなければならないのだけれど技術者が足りないと以前から問題視されています。

周辺住民の理解がより進み、この職業は面白そうだ、やりがいがありそうだと思って職人になりたい若者が増えるような試みのひとつとしてのトライアル。

ビルオーナーが個々でがんばるというよりも、建設から解体までの一生涯をメモリ化する新たなサービス事業形態を、不動産デベロッパーと建設各社、場合によっては都市計画などにも組み込んでいくような、新たな試みに広げていくことを考えてみたらどうでしょうか?