R55女性あるある

R55世代(50~60代)女性の、心身や環境の変化・長年の仕事での経験・主婦目線での生活など綴るブログ

「おじさん構文」をちょっとだけフォローする

ネットやTVで話題になっているおじさん構文」。おじさん世代のLINEなどでのメッセージの書き方を揶揄したものでこんな特徴があるそうです。

・書き出しにやたらカタカナの挨拶を使う
・聞かれてもいないのに勝手に近況報告する
・文中にやたら絵文字や顔文字を使用する
・メッセージが長く句読点が多すぎる

何か少しドキッとするものもありますが、逆におじさん・おばさんの立場からどうしてそうなるのか背景を紐解きたいと思います。

【目次】

ルーツは手紙のマナー

私の子供の頃はまだPCもスマホもありませんから、人とのやりとりは電話以外では手紙が常套手段でした。

遠くの祖父母に近況を伝えたり、毎日学校で会う友達とも頻繁に手紙のやりとりをしていましたし、ネットの知り合いとやり取りする行為に近いものには”文通”という手段がありました。

手紙では最初に季節の挨拶などをして、まず自分の近況など前置きの文章を書いてから初めて本題に入るということを礼儀として教わり、それを長年実行してきたのです。

のちにPCが普及し電子メールが一般的になっても、この手紙文化はデジタルの世界にも持ち込まれたように思います。

今でも仕事上のメール冒頭には「日頃より大変お世話になっております」とか、社内でも「お疲れ様です」「ご無沙汰です。その後調子はいかがですか?」などの短い一文がまずあって、「さて、先日ご相談した〇〇の件ですが」といった具合に本題に入っていく。

最後には「どうぞよろしくお願いいたします」と、別に何もお願いしてないけどとりあえずそれで閉めるといった、いわゆるメール文の「型」が通用しています。

「型」はテンプレートとして悩まずにすみ便利ですし、それにおじさん・おばさんにとってそういった文章は礼儀や作法であったり、相手へのちょっとした心配りであって、若者から揶揄されるようなことをやっている感覚は持ち併せてはいないと思うのです。

むしろそういうものを全てそぎ落とした超淡泊な相手のメールには、一抹の寂しさを感じたり、ちゃんと伝わっているか心配になったり、場合によっては失礼なやつだと思ってしまうおじさん・おばさんも大勢いるはずです。

仕事にそんなタイパ悪いもの持ち込む必要ないだろうと反論されそうですが、そうなるとコミュニケーション論の世界になりますね。

長文になりがちなのも、書いた内容をきちんと理解してもらいたいという気持ちの表れという側面があります。結果として齟齬が生じにくくタイパが良いと信じているから。
    

絵文字は心配りの一環

90年代に登場したポケベルは短い文字数制限のため、当時の若者はメッセージをできるだけ短くする数字化の工夫をして(おはよう=0840)謎解きや暗号のようにそれを楽しんでいました。

ガラケーi-modeが出てきてメールで絵文字が使えるようになると、何しろお手の物ですから皆多用していました。ニコニコマークなど文字だけでは伝えづらい感情を表現するのに便利ですからね。現在Teamsのチャットでも感情アイコンはよく使われています。

実はこれは、相手への心配りの一環でもあるのです。

例えば後輩や部下に対し何か誤りを指摘する場合、文章のみだと少しきつく感じて傷つくかもしれない。面と向かっていれば表情や仕草でフォローできるけど文字だけなので「怒ってはいないよ、でも今後気をつけないとまずいよ」というニュアンスを表すために、その文章の後ろに笑ってる絵文字などをつけているわけです😊 ^_^ (wwとか草は嘲笑のニュアンスだから使わない)

この基礎となったのはパソコン通信2ちゃんねるなどで、様々に生み出された感情の絵文字をiモードでも踏襲したものと思います。

LINEの登場は2011年東日本大震災後のことですからその頃はまだスタンプはありません。でもスタンプ自体も、感情などを絵文字で表すという概念がそのまま採用されたものだと思います。

文字以外のもので気持ちを表現するというのはとても日本らしい文化だと思います。

おじさんもTPOが大切

だから当時の若者=今のおじさん・おばさんは絵文字やスタンプや様々な色や文字種を駆使して、一生懸命自分の思いを相手に伝えようと、ついつい過剰になってしまうことがあるのでしょう。

ただそれをチャットやLINE にそのまま持ち込めば、私でもやはり少し違和感を感じそうです。同世代の男性が絵文字いっぱいカタカナいっぱいビックリマークいっぱい多色使いの長文LINEを書いていたらちょっと…。本人を知っていれば一生懸命さに微笑ましく思うかもしれませんが。。。

やはりおじさん世代もTPOに応じて書き方を使い分ける必要があるかもしれませんね。

何もかもどんどん短くなってきている現在、ブログのこんな長い文章を読む人もほとんどいないのでしょうが、どうしてもこうなってしまう「おばさん構文」。人のこと言えないよねぇ (;_:)シクシク