今年の夏、コロナ感染者は爆発的に増えていたし、親の介護もあるために遠出や旅行などには行けません。
そこで東京や神奈川など近場の美術館などを巡ってみようと思い、「ぐるっとパス」を購入して何箇所か行ってきました。
【目次】
お得な「ぐるっとパス」
正式には「東京・ミュージアム ぐるっとパス2022」と言って、101か所の美術館や博物館などに無料または一部割引で入場できるものです。(ちなみに関西にも「ぐるっとパス関西2022」がありますよ)
2,500円で有効期限は2ヶ月間、その間であれば対象のどの施設にも入れます(ただし同じところは一回のみ)。そのためあちこち行けば行くほどお得になるわけです。
今回はその中で印象的だったものをご紹介したいと思います。
みなとみらい「横浜開港資料館」
まずは横浜開港資料館です。ここは、横浜の みなとみらい線 日本大通り駅に隣接した場所で、近くは海(山下公園)という良い場所にあります。
以前この旧館は英国総領事館だったそうで、洋風建築のとても趣のある建物です。
館内には横浜の歴史(近代史)がわかる様々な資料が展示されており、 昔を偲ばせる興味深いものがたくさんありました。
資料類もさることながら、私が感動したのは中庭に大きく枝を広げた「玉楠の木」でした。
歴史を見てきた玉楠の木
この木は江戸時代にもここにあり、安政元年(1854年)の日米和親条約締結がこの玉楠の木の近くで行われたといいます。
日米和親条約って皆歴史で習ったはずですが覚えていますか?
あのペリーですよ! 江戸幕府とアメリカの使節としてやってきたペリー一行により、下田・箱館の開港が規定された条約です。
その時の絵がこれです。
「ペリー提督横浜上陸」という絵で、
ペリー御一行が中央あたりで行進しています。背景の港にはずらっと黒船が何艘も停泊していますね。
向かって右の方にはものすごい人数の村人たちが見物に押し寄せていますが、その右上に大きな玉楠の木が描かれています。
これが上の写真の木そのものなのだそうです。それを知ってとても感慨深いものがありました。
あなたは今までずっとここで日本を見てきたんだね。江戸時代も、この絵の後文明開化でガラッと変わった日本も、関東大震災で焼野原になりあなたも焼失したのにまた根を張り復活し、のちの世界大戦にも耐え、そして近代化していった日本を見続けてきた…私たちが死んでもあなたはこの地で未来の日本を見続けていくんだね。どんな日本を見るんだろう・・・なんて感慨に耽っていました。
この玉楠の木は、建物の中庭にあるため四方を壁で囲まれていて外からは見えません。機会があれば是非一度、横浜開港資料館に入場して実物をご覧になって歴史を感じてみてください。