パルスオキシメーター。2年前まではあまり身近ではありませんでしたが、コロナが急拡大して大騒ぎな頃、入院できず自宅待機する感染者のために自治体が機器を配布したり、個人でも買い求める人が多く、どの店でも売り切れが続出したことはまだ記憶に新しいですよね。
これほど大騒ぎになる前に私は、心不全や肺炎をよく起こし都度病院のお世話になっている親が家でも測れるようパルスオキシメーターを購入していました。
"パルス"は脈拍、"オキシ"は酸素、指にはさむだけで血中酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を簡単に測定できる機器です。見た目は"短めのホチキス"のような軽いものです。
あの頃のTV番組は連日コロナ一色で、パルスオキシメーターについても取り上げられていて、自宅待機中に数値が95%以下になったら救急に連絡して入院の手配を…とか言っていたことが記憶に強く残っています。
循環器に病を抱える老親が連日97~98%の数値なのに、まあ普通に過ごしている私は95%程度、良くて96%、94%の時も割とある…。あのTV番組に従えば私は毎日救急呼んで入院しなきゃ!?
最初の頃はコロナの不安も強く、この低い数値を見て「何かそういえば胸が苦しい気がする」とか悩んだりもしました。だって気になるじゃない? でもその後も普通に過ごせているから大丈夫と思うようにしましたが、そもそも「パルスオキシメーターの90何%って何よ?」正直よくわかってなかったので、改めてお勉強してみました。
まずは小学校 理科による簡単な"体のしくみ"をおさらいです。
「呼吸により酸素が肺で血液中に取り入れられる→血液によって酸素が心臓に送られ→心臓から血液が全身に運ばれる⇒酸素が体中に行きわたり元気!」
当たり前のようですが、改めてなるほどなと思ってしまいました。
だから大元の肺が血液中に酸素を充分入れてくれなかったり、心臓のポンプがきちんと機能してくれないと、全身(の細胞)が酸欠で危険な状態になるわけですね。
なお、血液中の酸素の運び屋は赤血球中のヘモグロビンです。宅配業者「クロネコヤマト・佐川急便・ヘモグロ便!」ですな。
では、血中酸素飽和度を測るパルスオキシメーターの話に戻ります。
てか「酸素飽和度」って何よ。飽和=最大限の状態。酸素飽和度=ヘモグロビンが酸素を運べる最大限の状態(ヘモグロビンの何%に酸素が結合しているかの度合い)のこと。
ヘモグロ便が「今、俺たち宅配ドライバー仲間全員コンディション超最高っす!荷物(酸素)、超運べるっす!」な状態が数値100%。でも常に全員超最高ってことはないでしょうから96~97%位までならOKな感じ。でももっと数値が低いと不具合か何かであまり荷物運べてない状態、ってとこでしょうか。
オミクロンより前の型のコロナウイルスは、主に肺にダメージを負わせ肺炎になりやすかった(コロナのこと新型肺炎って呼んでましたよね)、すると肺から血液に酸素を送り込めなくなるから酸素飽和度が下がってくる。それでパルスオキシメーターで肺炎重症化度合いを推測するわけですね。93%位になると本当に気をつけた方が良いようです。
これで90何%の意味はわかりましたが、じゃあいつも数値低めの私は何ですか?コロナ感染してないし健康診断でも肺炎とは言われなかった。
まず機器はちゃんとしたもの?安いけれど精度の低い粗悪品も多く出回っています。できれば日本製で認証を受けた万円単位のものが良いようです。だって命にかかわりますからね。(私の買ったものはOKでした)
このパルスオキシメーターは赤色の光で(ヘモグロビン(ヘム)は酸素にくっつくと赤くなる性質を利用)皮膚を通して指先の血流をとらえて測定しているため、
・手や指先が冷えているとき
・血圧が下がっているとき
・ネイル・マニキュアをしているとき
・貧血があるとき(ヘモグロビンの量自体が少ない)
などには数値が低く出る傾向があるそうなのです。また、20~30秒位たたないと正確な値が出ないのでしばらくじっとして測った方が良いそうです。
以上が私のにわか勉強した内容です。結局私の数値低めな原因はよくわかりませんがこういった様々な要因で低めに出やすいんだろうな、程度に思うことにしました。
恐らく何%という絶対値よりも、普段の数値を自分で知っておいて、何かあった場合はその変化(相対)に注意するのが良いのかもしれません。
コロナ騒ぎも多少治まっている今なら簡単に買えます。一家に一台、パルスオキシメーターを用意しておくのもいいのではないでしょうか?