テレビのテロップは若者のために始まったけれど、中高年にこそ威力を発揮する
バラエティなどのテレビ番組では、MCやタレントのトークなどがテロップとなって画面表示されます。また笑い声の音声も一緒に入れられていますよね。
今は当たり前で何とも思いませんが、これらは1990年代頃から始まった記憶があります。番組をより面白くみせる効果を狙った仕掛けとしてのスタートでした。
それまでも、ニュースなどは今と同じように画面下方に内容(要約)が表示されていましたが、バラエティ番組で擬音語・擬態語もそのままテロップ表示されたことにはとても驚いた覚えがあります。
最初の頃は慣れなくて、テロップや作られた笑い声に相当強い違和感とうるささを感じていました。巷でもよく話題となり、否定的な意見が少なくありませんでした。
でも「バラエティ番組の狙う年齢層と、漫画・アニメに親しんで育った世代が一致するから若者に受け入れられている」といった解説に「へぇそうなのか」などと思っていました。
でも実は、テロップは若者にだけでなく中高年や忙しい人にこそ、その威力が発揮されることを感じています。
年齢と共に徐々に音声が聞き取りづらくなってきているR55世代(私)にとっては、テレビの活舌が悪い人や、モゴモゴと何を言っているのかわかりづらいセリフがよく聞き取れないことが増えてきて、結構イライラ・ストレスがたまってしまいます。
このイライラの裏には、自分の耳の老化に対する恐れみたいなものがあるのです。
普段の生活ではまだそこまで問題は生じていませんが、若い頃よりは明らかに聴力が低下していることを様々な場面で思い知ることがあります。
ドラマで聞きとれないセルフだけでなく、無意識に上げていたボリュームに後で気づいて自分でびっくりしたり、
感染予防で二人掛けテーブルの間に置かれたアクリル板を通して話をする時も、大声で話さないこともあって、これがなかなか聞き取りにくくて困ったり…。
だからテロップはあまり意識することはないけど、知らず聞こえの助けとなってくれているのだと思います。
一番助かるのはキッチンで料理や洗い物をしている時。テレビ画面は見えていても水や火を使う音の方が大きくてよく聞こえないのです。
夕食の支度をする時間帯はバラエティ番組などが多く、別に真剣に見たいわけではないんです。でも時々ちらっとTVの方に目をやると、テロップでだいたい何をやっているのかがわかる、それだけで何となく安心するというか、うまく言い表せないけど何なのでしょう?この気持ち。
テレビをほとんど見ないという今の若者(本当?)には信じられないかもしれないけれど、昭和の人間は、観なくてもテレビをずっとつけっぱなしにしておかないと何となく寂しいんですよ。
私だけかな?