オレオレ詐欺にあってしまった身近な人の話。でもこの手口にはやられそう
ニュースでも度々取り上げられている特殊詐欺 (振り込め詐欺・オレオレ詐欺)。家族になりすましてお金を騙し取る犯罪ですが、
こんなにも世間で騒がれ、注意も促し続けられているのにどうして減らないの?と思っていたけれど、身近でも2件「オレオレ詐欺にあってしまった」という話を聞きました。
どちらも高齢の母親が騙され大金を取られてしまったのです。そのうちの一人は会社の先輩(女性)のお母様でした。
電話の"オレ"は通常"息子"や"孫"のなりすましが多いと思いますが、かかってきた電話はその先輩のご主人、つまり"義理の息子"を名乗ったといいます。
実子でさえ、少し声が違うなと思っても「風邪をひいたから」とか「電話だから違って聞こえるんだ」とかで騙されてしまう人が多いそうですが、これが義理の息子を名乗られた場合、そこまで声の違いには気づかないのではないでしょうか。
そして、実の娘ではなくそのご主人から電話がかかってくるという状況は、話を聞く前に「娘に何かあったのではないか?」と瞬間不安を呼び起こすのではないでしょうか?
不安な時、耳元で聴く話というのは内容を無視できなくなる心理になるらしいのです。
さらにこの詐欺が怖いのは、先輩家族の構成、勤務先や、互いの呼び名まで全て入念な下調べをしていたと思われることなのです。
なりすました義理の息子が電話で、「今日〇〇(場所)にいたのですが、〇〇(具体的書類名)の入ったカバンを置いてきちゃって・・・〇〇(娘の呼び名)が今〇〇(勤務先の場所)にいて対応できないからお母さんに電話してくれって言うので・・・それで〇〇ちゃん(娘の兄弟のあだ名)が・・・」
みたいな超具体的な事実を織り交ぜて話すのですっかり信じてしまったといいます。
実際にその日、彼女とご主人はそれぞれ犯人が言った場所や勤務先にいたというし、具体的な書類名もご主人の職業を知っていないと出てこない内容。そして彼女やその兄弟の名前も実名ではなく普段呼んでいるあだ名だった。
だから何か名簿などを入手しただけではとうていできない芸当。明らかにターゲットを決め、その周辺を綿密に調べていたことがうかがえるので、さらにゾッとします。
特殊詐欺の被害者の8割以上が65歳以上で、「自分は被害に遭わないと思っていた」という人が95%にのぼるという警察の調査結果があります。それでも実際に被害にあっているわけで、
高齢になれば認知機能はどうしても衰えてくるし、そうでなくてもうまく不安心理をつき、かつ先輩の場合のように個人情報を調べられたら、誰でもだまされてしまうかもしれません。
こういうことがあるという事実を知り、他人ごとに思わず常に意識していくしかないのでしょうね…。