R55女性あるある

R55世代(50~60代)女性の、心身や環境の変化・長年の仕事での経験・主婦目線での生活など綴るブログ

小田急が「子育て応援車」開始。子連れ通勤について考える

小田急電鉄が、子連れを支援する「子育て応援車」を今週末から走らせるという。

ベビーカーでの苦労軽減や、赤ちゃんが泣いても気兼ねせず電車を利用してほしいという想いで取り組むそうだ。こういう試みはとても良いと思う。

🚋「小田急の子育て応援車」が走りはじめます!

それで昔、似たような提案を会社にしたことを思い出した。

30年以上も前のこと。若手プロジェクトのようなものが発足し「フレッシュで自由な発想で提言しろ」という会社からのオーダーに対し、新人を含む若手社員が複数のチームに分かれて活動した。私も女性数名のチームに振り分けられた。

私のチームは皆20代前半の女性、考えたのは「いつか結婚して子供ができたら」だった。

当時のオフィスは、都心の地下鉄の駅から地下通路を歩いてすぐのビルで、飲食店などがぐるっと囲む形で入っている広いスペースが地下にあった。

そこに子供たちを預かる施設を作る。そのスペースなら遊ばせても車が入ってくる心配がない。お母さん社員は昼休みなどに子供の様子をすぐ見にいける、と皆で考えた。
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ただ問題は都心への通勤電車だ。テレワークはもちろん時差出勤や女性専用車両などもない時代。超激混みでつり革にもつかまれず、必死に踏ん張らないと立っていられないほどなのに、まさか乳幼児など連れて乗るなんて想像できなかった。

だから自然と「通勤電車に子連れ専用車両を作ればいいじゃない」と発想した。ただこの混雑状況を考えれば"子連れ優遇"との反発もおきそうだから、曜日や本数などある程度の制限は必要だろうとも思っていた。

これを1社で実現するのは難しそうだし電車側もうんとは言わないだろうから、オフィスビルを所有する大手不動産会社各電鉄会社、そしてこの界隈のビルに入居している大手企業各社にも声をかけて、働く母親のための場を都心に作る。

プロジェクトのスポンサーである役員(年配男性)に、私たち女性チームはそんな提案を行なった。

その役員の答えは「そんな泥臭いことじゃなくてさ」だった。もっと、若い女性ならではの華やかでキラキラした提案を期待していたらしい。

結局そのひとことで提案は却下された。当時はまだ、働く女性に対する認識はそんな程度だったんだなと今改めて思う。

小田急子育て応援車のニュースリリースには"通勤車両で実施"とあるから、通勤電車での子連れ移動も視野に入っているのだと思うけれど、残念ながらまだ限定的な試み。運用区間も「相互直通運転しているJRと東京メトロ線内は対象外」とある。

え?じゃあ通勤時間帯に都心へ子供を連れて行く場合、途中でその車両にも一般客がどっと乗ってくるの?

30年以上たっても日本の通勤風景はまだドラスティックに変われないのかな。

でもその頃とは大きく変わったことがある。テレワークなど様々な働き方が可能になっていること。30年前にはなかったノートPCとインターネットとモバイル端末が今はある。

そもそもオフィスが都心にあって毎日通うという発想自体がもう古い気がする。

子育て応援車がどのように利用されていくのか見ていこう。